2017年8月21日(日本時間 翌22日深夜から早朝)、北米大陸を横断する皆既日食が起こります。アメリカだからアクセスもいいし、天気の心配も少なそう。いろいろ調べてみました。
目次
アメリカ横断皆既日食とは
地球と月と太陽が一直線上に並び、太陽でも月でもない新しい星のようなものが頭上に現れる皆既日食。とにかくすごい瞬間です。
天文現象なのでいつも都合のよい場所で見られるとは限らないのですが(南極の海の上だったりとか)、2017年8月21日の皆既日食はアメリカの広範囲で見られるため、アクセスや天気の心配が少ないのが特徴です。
皆既日食が見られる場所
皆既日食は地球の動きに合わせて移動します。まず、「皆既日食がアメリカのどこで見られるか」を確認してみましょう。NASA提供の情報がGoogle Mapsで公開されています。
赤い線が皆既日食の経路です。西海岸、オレゴン州から入ってアイダホ、ワイオミング、ネブラスカ、ミズーリ、ケンタッキー、テネシー、サウスカロライナと、見事にマイナーな州を通過します。サンフランシスコとかラスベガスとかニューヨークでは皆既日食は見られません。最近人気のポートランド南部のオレゴン州セイラムは大丈夫ですね。
「GE」という緑のピンは皆既日食が最大になるポイント、「GD」という紫のピンは皆既時間(太陽が隠れている時間)がもっとも長いポイントです。簡単に言えば、このピンがドロップされている場所が最高の観測ポイントです。
GEのピンがあるのはケンタッキー州ホプキンスビル近郊。GDのピンがあるのはイリノイ州マリオン近郊です。
分かりやすくてワクワクする動画
The Total Solar Eclipse of August 21, 2017 – fly along with the shadow! from Eclipse2017.org on Vimeo.
皆既日食の黒い陰がアメリカを横断する様子の分かりやすい動画がありました。これはワクワクさせられます!
いつ皆既日食になるの?
上記Google Mapsで表示されている時間は「UTC」という世界標準時なので、アメリカの地域ごとの時差を計算しなくてはなりません。しかもサマータイムの期間中だから、さらにややこしく・・・
【外部サイト】日本とカナダ・アメリカ主要都市の時差 | LOCALTIME.JP
とりあえずすごくざっくりだと「昼間」です。8月21日(月)の昼間に現地へ行けるようにしておきましょう。観測場所によって皆既日食の時間は異なりますので、細かな時間は上記のGoogle Mapsで確認ください。
どこで見る?
皆既日食は「太陽を見る」というものなので、高層ビルがたくさん並んでいるような場所は不向きです。空が大きく開けていて、なるべく晴天が望める場所がよいでしょう。
皆既日食の経路を辿ると、ソウトゥース国立森林公園、イエローストーン国立公園、シャウニー国立公園などの巨大な公園があります。
いろんなイベントやTVクルーや科学者や観光客で溢れそうですが、国立公園の中なら素晴らしい景勝とともに皆既日食が見られそうです。
個人的には、ポートランドでのんびりしながら晴天率の高いセイラムへ移動して見るか、イエローストーン国立公園で動物たちと一緒に大騒ぎして見るか、はたまたGEの場所であるケンタッキー州ホプキンスビル、かつて「ホプキンスビル事件」で名を轟かせた、宇宙人襲撃で有名なあの場所で見るか、いろいろワクワクしています。
西側のセイラムと東側のホプキンスビルだと、皆既の時間が1分近く違うのでやっぱり東側で見たいですね。いずれにせよ、とても広い範囲で観測できるので観測地選びは「どこにしよう?」という贅沢な悩になりそうです。
日食メガネを忘れずに
皆既日食を観察するには「日食メガネ」という、太陽光を遮断できるものが必須です(太陽が完全に隠れたら裸眼で見ることができます!)。
2009年の皆既日食や、その後の金環日食のときは売り切れて高値になるという騒動がありました。現在は需要がなくてたたき売りされているので、この間に用意しておくとよいと思います。
どうやって行く?
アメリカなので飛行機はたくさん飛んでいるし、レンタカーもたくさんあるので「とにかく早めに決めないと!」ということはないと思います。航空券の情報や価格は「楽天トラベル」や「海外格安航空券予約サイト-skyticket.jp-」で検索してみましょう。
オーストラリア皆既日食のときも飛行機の空席は残っていたし、それほど大慌てで日程を決めなくても大丈夫かと思います。観光の目的として、皆既日食というのはまだまだマイナーなようです。
アメリカっぽいRV(キャンピングカー)をレンタルしたいけれど、値段が気になるところです。
代表的なキャンピングカーレンタル会社
日本語で問い合わせが可能なので、RVが気になる方はメールをしてみましょう。
ライブ中継サイト
現地へ行くことができない人はライブ中継で楽しみましょう!NASAのサイトでも中継を予定しています。
【外部サイト】Eclipse Live Stream | Total Solar Eclipse 2017
また、日本の「ウェザーニュース」も中継予定です。こちらは日本語なので分かりやすいですね。
ウェザーニュースはテネシー州ナッシュビルからの中継。タイムテーブルは以下の通り。日本時間だと8月21日(月)の夜中を過ぎて22日(火)の深夜から早朝にかけてです。
- 日食スタート 1時58分39秒
- 皆既食スタート 3時27分23秒
- 皆既食最大 3時28分30秒
- 皆既食終わり 3時29分37秒
- 日食終わり 4時54分05秒
月曜の夜は眠れませんね・・・!
まとめ
皆既日食は本当にすごい体験です。太陽と月という、いつも見慣れた存在が空の中で合体して見たこともない星になる・・・。写真や映像で見るのと、実際に体験するのはまったく違います。そしてなぜか肌がツヤッツヤになります。楽しみです!!!!!!!
アメリカに行けない人は2035年に期待!
アメリカになんて行けないよ!という人は、2035年9月2日に日本を横断する皆既日食まで待ってみましょう。
茨城とか栃木とか群馬とか長野とかが皆既日食帯に入ります。海外では北京や北朝鮮が皆既日食帯の内側です。
あと20年弱、そのころの日本はどんな感じでしょうね!