14歳のときに家出をして、その後43年間(!)という長い時間を荒野で過ごした「洞窟おじさん」。自伝を元にしたドラマがNHK BSで放送されるようです。
【外部サイト】スペシャルドラマ『洞窟おじさん』2015年7月20日 BSプレミアム
昭和34年のとある農村。貧しい家で育った少年・加山一馬は、両親からの虐待に耐えかねて家出をし、愛犬のシロとともに山奥の洞窟に隠れ住む。そして、自力でウサギやイノシシを捕る技術を身につけ、たくましく生き延びてゆく。数年後、ある農家の夫婦が、動物の毛皮を身にまとい洞窟に暮らす男を発見する。それは、成長した一馬であった。とまどいながらも人間社会との接点を持ち始めた一馬は、さらに花を商う商人らと出会い、山菜や蘭を売って金を稼ぐことを覚えてゆく。裏切られ一度は自殺を考えたこともあったが、再び生きることを決意。九州から逃げてきたホームレスからは読み書きを学び、50過ぎにして初恋まで経験してしまう。だが、ある日、故障した自販機をこじあけようとした一馬は、警官に逮捕されてしまう…。(上記サイトより引用)
小学館から発行されている原作の本を読んだことがあるのですが↓
↑恐らくNHKが描写しないであろう、「童貞を奪われたときにムリヤリ「剥かれて」痛かった」という暗に包茎をほのめかす発言や、「ソープランドに行ったら女の子が身体の上をヌルヌルと滑り出して、気持ち悪かったから殴って帰った」というバイオレンスな描写もあります。文明の中で成長した私たちはセックスも風俗も楽しめますが、サバイバルしてきた洞窟オジさんには包茎とは何であるかとか、ローションプレイとは何であるかという情報がなかったのでしょう・・・。包茎は早く直した方がいいよ・・・。
※余談ですが、戦後28年に渡ってジャングルでサバイバル生活を続けていた横井庄一さんは「慢性的な栄養失調だから、性欲なんて消えていた」と語っておられます。こちらも名著。
私は、洞窟オジさんを「現代のロビンソン・クルーソーだ!」とか「すごいサバイバル能力だ!」と、単純におもしろがることができません。
なぜか? 同じような人が、そこら中にいるからです。洞窟じゃないけど、駅の通路や公園の物陰、シャッターの閉まった店の軒先に。
ホームレスと呼ばれる人々の、すべてがすべて「自堕落に」ホームレスになったわけではありません。戦災孤児がそのままホームレスになったのもありますし、洞窟おじさんのようにその道を選ぶしかなかった人もいます。
NHKがこれをどのようにドラマ化するのか楽しみです。純朴な青年としての美談だけを取り上げたり、意味不明な美女との恋愛なんかが追加されていませんように・・・。宣伝の写真を見ると、なんか妙にワイルドなイケメン兄ちゃんが出てたけど、実際はハタチのときにすべての歯がなくなるような過酷なものだったようです。
明日は我が身と思いつつ、見てみます。