バーニングマンへチャリで行った話・2000【後編】

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8月26日 ガーラック

いやー、朝からスプライトですよ。文明サイコー!さらに奮発してブルーノのカフェで肉! どうせブラックロックに到着したらいつもと変わらずビーフジャーキーとベーグルだけで10日過ごすことになるから、今日くらいは肉を食いまっせー!

ジャガイモの炒めたヤツがやたらとウマイ。水も冷えていてサイコーです。いやー、文明って本当にいいやーねー。

お腹も気持ちも充実したところで再びチャリをこぎ始めます。

あと10マイルでブラックロックだ。ここまで来たら死んでしまうことも(まず)ないだろう。その気になったらまたブルーノの店に戻ればいい。こんなに安心して走れるのは今回初めてだ。

それじゃ、がんばって行きまっしょい!

ちんたらたらたらちんたらたら(チャリをこぐ音)

と、少し走ったところでバーニングマン1999で目立っていた「Skull Tree」が空き地に放置されているのを発見。

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下で猫が眠っていたりして、あり? なーんでこんなところに放置?これってラリー・ハーベイ(バーニングマンの創始者、現ディレクター)がデザインした結構立派なものだと思うんだけどなー。しばしSkull Treeを眺めながら去年のことを思い出す。いんやー、懐かしいやーねー。

と、ここでトラブル発生!なんとブラックロックを目の前にしてチャリのバッグから水が滴っているではないか!

急いでバッグを開けてみると1ガロン入りのペットボトルに穴が! がびーん。ほら、キャップのまわりって以外と強度が低いじゃないですか。あそこが少し割れていて、大事な大事な水が流れ出ていたのです。

ついでにバッグにしまっていたフリースのジャケットもビショ濡れ。うううーむ、ここまで来たんだからスムーズにゴールしたかったぞ。

ひとまずペットボトルは水が漏れないようにバッグに入れ直して、濡れた衣服はチャリにくくり付けて乾かしながら走ることに。

ただでさえ少ない水がまた減ってしまった・・・。こりゃ誰かに恵んでもらわないと絶対にやっていけまへんな。誰かいい人いることを期待してまっせー。気を取り直して、走る、走る。

ブラックロックまでの最後の一本道。横を通り過ぎる車がやたらと祝福してくれます。とりあえずこちらも大声で返します。

たまに横っちょにピッタリくっつけてきて「おまえどこから来たの?」とか質問しまくる車もあって、いや、こちとらそれどころじゃないっすよ、疲労困憊なんですが、と言いたいときもあったけど、やっぱりうれしい。でもツライ。

おおおおおお!!! 右手にブラックロックが見えてた。去年と同じ! また帰ってきた!

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そういえば2年前は手の骨を折って、急いでこの道を逆送して病院に向かったっけ。

意外と最後の10マイルが長いんだけど、どんどんブラックロックが近づいてきます。いや、どんどんブラックロックへ近づいているんだ!!

町並みが遠くに見える! 会場内を車が走っているのも分かる!

後少しでブラックロック! バーニングマンだ!

8月26日 ブラックロックデザート

みーーーーーーーえーーーーーーーーーたーーーーーーーー!!!!
強烈な日差しや薄い空気、信じられないほどの坂道やノラ牛の恐怖を乗り越えて、ついに、バーニングマン・エントランスが見えてきました!

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「Burning Man Entrance →」

エントランスに続く道は砂利の下り坂で、思わずタイヤを奪われてしまってちょいと焦りました。少し先にあるエントランス・ゲートまで車が2列になって順番待ちをしています。きちんと俺も整列して順番を待ちます。

一台、また一台とエントランスをくぐり抜けて行き、そして、俺の順番がやって来ました。日本から肌身離さず持ってきた「Burning Man 2000」のチケットを手渡し、地図とイベントガイドを受け取ります。

このエントランスの先にゲートがあり、その先にブラックロックシティが、バーニングマンが待っています。そのときエントランスにいた半裸の女の人から、ふっと懐かしい匂いがしました。それは、バーニングマンの匂いでした。おそらく体の匂いか日焼け止めクリームの匂いだろうけど、確かにバーニングマンの懐かしい匂いでした。

帰ってきたんだ。やっぱりここが一番だ。

無性に体中がムズムズしてきた。ナチュラル・ハイなエネルギーが全身を興奮させてきた。

ゲートをくぐると、目の前にはバカっぴろいブラックロックデザートがありました。これまではずっと舗装された道路を走ってきたけど、ここで突然道がなくなりました。

まぁいいや、俺の行きたい方向へ進もう。

まだ人もまばらだし、どこへ行くのも自由だ。どこへ行って、どこでキャンプして、なにをしようと俺の自由なんだ。

ひとまず荷物を置いたら身軽な装備でバーニングマンにお参りにでも行こうかな。センターキャンプで今年もレモネード売ってるかな。そうだ、写真撮影の許可証ももらわないと。

もうすぐ夕日が沈みそうだ。

今日からまたベーグルとビーフジャーキーの生活か。

3年目だ。あまり「使い物にならない」ことになってしまった左手の指を見る。今年は怪我をしませんように。無事で楽しく過ごせますように。日本も俺が帰るまで平和でありますように・・・。

そんなことを考えながら、360度どこへ進んでもよい道を、まっすぐ、たまにフラフラしながら走った。

めざせブラックロック、到着!

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