中国の超巨大ショッピングモールサイト「Gear Best」をご存知でしょうか?アマゾンなど国内通販サイトとは比べものにならないほどの超激安価格で、シャオミーやレノボ、ASUSといった日本でも有名なスマホを取り扱っているサイトです。
目次
Gear Best
ページは基本的に英語です。「え・・・中国のサイトから通販なんて大丈夫なの・・・?」と思うことなかれ。一度、Gear Bestの価格を体験してしまうと、いままでの暮らしは何だったんだ、ひょっとしたらこっちが正解なんじゃないかと思わせるくらいのインパクトがあります。
今回、「Gear Best」さまより、ハイスペックなスマートフォン「Vernee Apollo Lite」をいただきました。これは・・・かなり・・・よい!!!!!!! ということでレビューです。
Vernee Apollo Lite
主なスペック
- CPU:MTK6797 Helio X20(64-bit 10コア)
- RAM:4GB
- ディスプレイ:5.5インチ フルHD IGZO液晶
- OS:Android 6.0
- ROM:32GB
- カメラ:フロント 5MP、リア 16MP
- ビデオ:4K対応
- バッテリー:3,180mAh
- サイズ:約 15.2×7.6×0.9cm
- 重量:176グラム
- その他:デュアルSIMカードにてデュアルスタンバイ対応、指紋認証、USB-C、Micro SD、急速充電
- 価格:約200ドル
CPUはデカコア!!!!!!!! デカとか言われてももはや何のことか分かりませんが、10個のコアを搭載しているそうです。最新のMacBook Proだってクアッドコア(4コア)なのに、デカコアはすごいですね・・・。
RAMも4GB搭載しているので、いわゆる「ハイエンド」なスマホという位置づけです。
SIMフリースマフォで人気の「ASUS ZenFone3」はオクタコア(8コア)、RAM 3GBというスペックなので、それよりも上ということになります(CPUの種類は異なります)。
そして・・・約200ドルという衝撃的な価格です。画面サイズの似ているiPhone 7 Plusが85,800円 (税別)であることを考えると、騙されているのはどっちだ?という感じです。
Vernee社について
いやちょっと待て。Verneeって誰やねん!という人のために。
Vernee社は2016年2月に起業されたばかりのスタートアップ。メンバーも若者ばかりです。
サイトのブログも頻繁に更新されていて好印象です。ソフトウェアアップデートにも積極的なので、「売りっぱなし」ということにはならなさそう。
Vernee Apollo Lite外観
それでは実機を見ていきましょう。外箱は黒。レンガくらいの大きさのシンプルな箱です。
裏面にはスペックなど(端末識別番号部分はモザイク処理しています)。
くぱぁっ。ビニールに包まれた本体、簡易的な説明書(日本語ナシ)、USB充電アダプタ、USB-Cケーブル。イヤフォンはありません。
ただこれ・・・日本のコンセントとは規格が違うので使えませんね・・・まぁ、USB充電アダプタはたくさん余っているので問題ナシです。
ディスプレイは5.5インチサイズ。手に持つとしっかり大きいです。液晶のベゼルはかなり狭め。ボディは金属(アルミ?)の削り出し素材。背面は金属のシルバーカラーですが、前面は樹脂の白色です。
背面にはシンプルなロゴ。つや消しのシルバーも落ち着いた印象です。参考までにMacBook Proの上に乗せてみました。シルバーの感じがすごく似ています。
充電はUSB-Cのコネクタから行います。「Pump Express 3.0」という急速充電に対応しており、バッテリー残量が0の状態から20分で70%まで充電が可能とのこと。ただ、「Pump Express 3.0」用の充電器は見つけられず・・・これからの普及に期待です。
本体にはUSB-Cケーブルがひとつだけ付属しているので、持ち運びを考えて追加で購入しました。
底面から見るとこのくらいの厚さです。左右の穴はステレオスピーカーかと思ったけど、実際は右側のみから音が出ていました。左側の穴はマイクなのかしら。
3.5mmのイヤフォンジャックは上面にあるので使いやすいです。
デュアルLEDフラッシュ付きのリアカメラ。カメラセンサーはサムソン(電機メーカーの方)製のF値2.0のもの。その下は指紋センサー。指紋はかなり高速に認識されました。
右側に音量上下キーと電源ボタン。こちらも金属製でしっかりしています。
左側はデュアルSIMスロット。上側はナノSIMとMicro SDカードを排他利用、下側は普及率の高いマイクロSIMスロットです。SIMふたつを使ってデュアルスタンバイも可能なようです。
iPhoneのようにピンで押し込んで外す方式です。黒いダミーカードが挿入されていました。
私は32GBのMicro SDカードとDMMモバイルのマイクロSIMを入れています。AndroidはMicro SDで容量を手軽に増やせるのが便利ですね。
スペック表によると、最大で128GBのMicro SDカードに対応しているとのこと。本体の容量32GBと合わせれば160GBという巨大な容量になります。
これだけ容量があれば4K動画を安心して撮影できますね。
さて、フルHDの解像度で5.5インチ液晶というのは「iPhone7 Plus」と同等です。重量はVernee Apollo Liteが176g、iPhone 7 Plusが188g。本体サイズの縦横はほぼ同じで、厚みはiPhone 7 Plusが2mm薄いです。
Vernee Apollo LiteはデュアルSIM、Micro SD、イヤフォンジャックという便利な要素がすべて押さえられているのに、iPhone7 Plusにはいずれもありません。ぶっちゃけていえば、iPhone7 Plusはユーザーの利便性を犠牲にして薄型にしているわけです。それでも2mmしか変わらないのなら、Micro SDが使える方が個人的には嬉しいです。
Vernee Apollo Liteを日本語化してみた
起動後の画面はものっっっっすごくシンプルです。クリーンでピュアな完全に素のAndroidです。
デフォルトでは英語の状態ですが、簡単に日本語化できます。Settingsの画面を開き、「Language&Input」の項目に進み・・・
「Language」が「English(United States)」になっているところを・・・
「日本語」にすると、しっかりと日本語化されます!日本で買ったスマホと変わらないくらい、ふつーすぎで忘れてしまうくらいに日本語化されます。
※技適マークは発見できなかったので、ソフトウェアアップデートで搭載されるのかと思います。
アプリをインストールしてみた
Vernee Apollo LiteにはGoogle ChromeやGmail、マップなどのGoogle製アプリや日本語入力ソフトも一切入っていないので、Play Storeからインストールしまくる必要があります。「買ったらすぐに使える」という状態ではないので手間はかかる反面、余計なものが入っていないのでムダがありません。
いろいろインストールしてみたところ、一部のアプリで相性が悪いものがありました。
Firefox、Kindleはインストールはできるのに、起動直後にクラッシュするためまったく使えませんでした。
Kindleが使えないのツライ・・・。解決策を探し中です。
後日追記:しばらくしてから試したところ、Kindleを正しくインストールして使用することができました。何が原因かは分からないけど、問題ナシです。
私はいままで、ASUSのZenシリーズのスマフォやタブレットを使っていました。今回、ほとんど素のAndroidであるVernee Apollo Liteを使って「あ、あれはASUSのカスタム機能だったのか!」と気づくものがいくつかありました。
たとえば、ASUSだとホーム画面上のGmailやLINEのアイコンの上に「未読数」を表すバッヂが表示されますが、Vernee Apollo Liteでは表示されません。ホーム画面のアイコンの横並びの数を変更することもVernee Apollo Liteではできません。一番下のDock部分がアイコン5つなのに、上のところは4つしか並ばないのがアンバランスで気持ち悪いんですよね・・・。
もちろん、そういった部分を拡張できるアプリもたくさんあるので、時間をかけて好みのものを探してみたいと思います。
カメラを使ってみた
デフォルトでインストールされている「カメラ」アプリを使ってみました。
フォーカスは素早いです。顔認識機能でも、手動での移動でも、気持ちよくピントが合います。ただ、ピントが合ったときの「ピピッ」という音がものっっっすごく大きいのです。音量調節ができなかったので、このアプリを使うのは断念し、「Open Camera」というアプリに乗り換えました。こちらはピントが合ったときの音が無音なので一安心。
実際に撮影した画像は後日追加してみます。
MVNOのSIMを使ってみた
「DMMモバイル」のSIMを刺してドコモの電波で使用してみました。デフォルトではAPNの設定が入っていないため、手作業で「DMMモバイル」のものを作る必要がありました。
【外部サイト】SIMカードの挿入手順/APNの各種設定について – DMMモバイル
4G(LTE)に対応しているので高速な通信が行えています。通話の品質も問題ありません。SIMフリーって本当に便利ですね。
※au系の電波には対応していないので、ドコモかSoftbankの電波を使うものを選びましょう
動画を見てみた
5.5インチのフルHD IGZOディスプレイは恐ろしく高画質です。黒色も引き締まっており、色の奥行き感は体感したことのないレベルです。それでいてギラギラとハイコントラストすぎることもなく、見ていて疲れません。
液晶のベゼルがすごく狭いので、動画視聴中に画面を指で触ってしまうことがあります。なるべく画面に触れないようにするには、本体の「フチ」を指で挟むようにして持つしかないのだけど、スピーカーが本体の底面にあるため、横向きにして右手で持つとちょうどスピーカーを塞いでしまうのです。
※動画は「world’s end girlfriend / Crystal Chrysalis / MUSIC VIDEO / from LAST WALTZ」より
かといって、上下を持ち替えると電源ボタンを触ってしまいそうになります。
うーんこ れは困った。素直に外付けスピーカーを使うか、スマホスタンドを使った方が動画視聴にはよさそうです。
Bluetoothイヤフォンをつなげてみた
私は手持ちの音楽はすべて「Google Play Music」にアップロードしています。「Google Play Music」が提供している3,500万曲と、自分がアップロードした曲が同じようにどの端末からでも聞くことができるのでとても便利です。
Bluetoothイヤフォンをつなげてみたところ、スムーズにペアリングして、問題なく音楽を聞くことができました。音飛び・音切れもありません。
また、Vernee Apollo LiteのUSB-Cコネクタは「USBオーディオデバイスクラス」という新しい規格に対応しているため、将来的にUSB-Cコネクタにつなげるイヤフォンやスピーカーが登場することが期待されます。
【外部サイト】USB-Cでデジタル音声出力を可能にする「USBオーディオデバイスクラス3.0」発表。3.5mm端子の廃止が進む? – Engadget Japanese
なお、内蔵スピーカーの音質は決してよくありません。悪くもないのだけど、まぁ普通です。
7日間使用してみた感想
私はゲームもしないし、デカコアなんてハイスペックなスマフォは必要ないんじゃないかと思っていました。
が!やっぱり速いのはすごいですね。ブラウザもキビキビ動くし、マップの表示もスパっと行われ、クラウド上にある画像ファイルのサムネイル表示もあっという間です。「Google音声検索」の認識速度も速いから、最近はもっぱらGoogleとばかり会話しています。
これだけハイスペックだと、AndroidスマフォをPCのように使うことができる「Superbook」が気になります。
【外部サイト】The Superbook
Vernee Apollo LiteはUSB-OTG(USB On The Go)に対応しているので、Superbookも問題なく使えるハズ。Superbookは高解像度&キーボードバックライト付きにしても送料込みで200ドル程度だから・・・3万円のWindows機よりも便利に使えたらどうしよう・・・。
これだけのスペックを持ったスマフォが約200ドルというのは、iPhoneしか知らなかった人には大きな衝撃となりそうです。
冷静に考えてみたら、SIMも一枚しか使えないしMicro SDで容量も増やせないしイヤフォンジャックもないiPhoneなんて、そんだけ機能を削ってれば薄くて当たり前です。そのわりに値段はものっっっすごく高いです。
「いいものを知っている洗練された男」みたいなイメージの人とか、情報ツウなブログがiPhoneを押しまくっているのはすごく違和感を覚えます。本当にいいものって、Vernee Apollo Liteのようにユーザーが必要としている機能がちゃんとあって、それでいてコストパフォーマンスに優れたものではないでしょうか。iPhone7を持っているサードウェーブ男子よりもVernee Apollo Liteを持っている私の方がモテて欲しいと切に願います。
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このスペックなら長く使い続けられそうです。気に入りました!Gear Bestでまたおもしろいものも探してみます!