アメリカ・コロラド州に拠点を置くCBDオイル大手のエリクシノール(Elixinol)社は、2019年10月25日より、日本国内においてすべての商品の出荷を停止しています。オンラインショップも全品欠品中。
商品 一時出荷停止のお知らせ
平素より弊社製品ををご愛顧いただき誠に有難うございます。誠に勝手ながら10月25日(金)より製品出荷を一旦停止させていただくこととなりました。
え?どうして? 残念すぎるので詳しく調べてみました。
目次
エリクシノールは何をやらかしたの?
ダイヤモンド・オンラインの記事によると、停止の理由は「日本向けのCBDオイルの製造工程において、コンプライアンス(法令遵守)違反が疑われているため」とのこと。
【外部サイト】大麻ビジネスも「ガラパゴス化」に陥った日本の残念な現状 | グリーンラッシュがやってくる | ダイヤモンド・オンライン
では、日本向けのCBDオイルの製造工程で守るべきコンプライアンスとは何でしょう? 大きくは以下の2点です。
- 完成した製品は日本国内で違法な成分である「THC」を含まないこと
- 大麻草の茎と種子の部分だけを原材料とすること
今回のエリクシノールは、CBD製品を製造する際に「大麻草の茎と種子」以外の部分(つまり、葉や花ですね)を原材料として使用していた疑いがあるようなのです。
ざっくり言えば「日本の法律に違反する形で商品を製造していた(かも)」というものです。
詳細は現在調査中、11月中旬に発表予定とのこと(そろそろですな)。
なぜ葉や花を使ったらダメなの?
大麻草の葉や花の部分には、大麻の有効成分「THC」が多く含まれています。THCはCBDと同様に医療用大麻において重要な成分ですが、日本の法律ではTHCは「ハイ」になる成分なので違法とされています。
反対に、茎や種子にはTHCが存在していません。小鳥の餌として売られている「麻の実(種子)」をどれだけ食べてもハイにならないのはそのためです。
※日本国内で流通する「麻の実」は発芽しないように熱処理が加えられています。たまにトンデモ話もありますが・・・
大麻草の茎や種子にはTHCがなく、繊維を取ったり食品にしたりという「産業用の価値」があるために合法だけど、葉や花はTHCが多いので、それを所持するのも原材料にするのは(海外で製造したものであっても)全部ダメよというのが日本の法律です。完成した製品にTHCがありよりのなしでもなしよりのありでも関係なく、とにかく日本へ輸入される製品は葉や花を原材料にするのはNGなのです。
こういった規定は世界的に見ても珍しいと思います。完成した製品にTHCが入っていなくても、とにかく使ったらダメというのは、メーカーにしてみると面倒くさい問題なのかもしれません。
私のCBDオイルは葉や花から作れていますか?
日本に正規輸入されているCBDオイルは、輸入前に検査機関によって成分の分析が行われています。検査によって「THCは含まれていなくて、CBDだけですね」と太鼓判が押されるわけです。
私も日頃からCBD製品を多用しているので、念のためTHCの検査を行ってみましたが、当然ながら検出されませんでした。
ただし、原材料として葉や花が使われていたのかどうかは、製品として完成した後からは調べようがありません。
もし、THCが検出されたら「これ、THCが入っているけど葉や花を使ってない?」と突っ込めるけれど、THCがまったく検出されなければ、原材料がどこの部位かは分かりようがないのです。
そのため、メーカーは「ウチの製品はこうやって作っているよ」という製造工程の証明書を作成し、輸入業者はそれを持って税関から許可を得ています。
エリクシノールの場合も製造工程の証明は当然されていたと思われますが、今回はそこに疑いが出たようです。
エリクシノール製品にはTHCが含まれているの?
今回の件は、あくまで「製造工程にコンプライアンス違反があったかも」というだけなので、成分としてはCBDで間違いなく、THCは含まれていないと思われます。
もし、THCが含まれているなら、摂取した後に気分が明るくなったり、食欲が増進するようなポジティブな効果が出てくるはずです。
そうでなければ、その製品にはTHCは含まれていないと思われます。
エリクシノール製品を持っていたら逮捕されるの?
それはありえないと思います。
エリクシノールは今後どうなるの?
エリクシノールといえば、表参道駅に広告を出したり、高城剛さんのイベントに登場していたり、CBDのリーディングカンパニーとしてグイグイがんばっていたところ。
全商品出荷停止はあまりにダメージが大きいでしょう。
今後について、いくつかのパターンを想像してみました。
・このまま無事に進む?
内部調査の結果、何も問題ありませんでした!ドキドキしたよ!というのが、一番ハッピーなものでしょう。いいもの作り続けてください。
・商品が回収される?
製造工程に問題があったと認められた場合、違法な成分が入っていなかったとしても、企業倫理としては製品の回収・返金が行われるかもしれません。
でも、エリクシノールって通販だけじゃなくて店頭販売みたいなのも多かったから、購入者を追いかけるのが大変だろうなと・・・。
・日本から撤退する?
繰り返しとなりますが、日本国内で合法なのは「大麻草の茎や種子から作ったCBD製品」のみです。
もし、エリクシノールが「日本だけのためにそんなの作れないよ!葉や花も使いたいよ!」となったなら、日本国内からエリクシノールは撤退するかもしれません。
・THCが検出される?
今回の件は「メーカーの申告(ちゃんと茎と種子から作っていますよ)が虚偽であった」という疑いです。そうなると、「THCが入っていませんよ」というのも、(限りなく可能性はゼロに近いと信じたいけれど)虚偽であるのかもしれません。
もし、製品から違法な成分であるTHCが規定量以上検出された場合、エリクシールの法的責任はとてつもなく大きくなり、さらには日本国内で流通するすべてのCBD製品に「待った」がかかるかもしれません。あれもこれも手に入らなくなるというわけです。
CBDオイルからTHCが検出されたという報道は過去にもありました。
以上、すべて想像です。
いずれにせよ、日本でもCBDがブームになっているところなのに、今回の事は残念すぎます。長年CBDを使い続けている私としては、とにかく穏便に終わって欲しいところ。
健全なCBD製品が今後も安心して購入できることを願っています!がんばれエリクシール! がんばれ世界のCBDメーカー!
・・・日本の法律が、あまりに時代錯誤なんでしょうね・・・。