ASUSさまより、最新のChromebook「Flip C100PA」を貸与いただきましたのでレビューです。ありがとうございます!
目次
これはなに?
Googleが提供しているOS「Chrome OS」を搭載したPC。ボディはアルミニウム製で、タッチパネルを搭載しているためタブレットとしても使用することが可能。約4万円。
【外部サイト】ノートパソコン | ASUS Chromebook Flip C100PA | ASUS 日本
主なスペック
- CPU:Rockchip Quad-Core RK3288C
- RAM:2GB
- 内蔵ストレージ:16GB
- ディスプレイ:10.1型 1,280×800ドット(タッチパネル機能搭載)
- サイズ:幅262.8 mm×奥行き182.4 mm×高さ15.6 mm
- 重さ:890g
私がふだん使っているMacBook Air 11’より、ディスプレイがちょっと小さく、重さがちょっと軽く、値段は半額以下です。
ディスプレイが360度回転し、タブレットのようにも使うことができるのが特徴。だいたい180度以上ディスプレイを回転させると、自動的にキーボード入力が無効になり、タブレットモードへと切り替わります。タブレットモードのまま「縦持ち」にすると、縦型に表示することも可能です(タブレットモードにしない状態だと縦表示にはできません)。
180度開いて、びたーんというスタイルにもできます。
使ってみた
感想はとても長くなるので、C100PAのハードウェア的な部分の感想と、Chrome OSを含めたソフトウェア的な部分の感想に分けて書きます。
C100PAのハードウェア的な感想
アルミニウム製なので剛性がしっかりあり、「たわむ」ことがありません。ASUSのChromebookの前モデルは本体がプラスティック製で、キーボードのまわりがふにゃふにゃと凹むのが難点でした。いかにも「コストダウンしたよ!」という感じがありましたが、C100PAはカッチリしていて好印象です。ただ、どことなく小学校の給食で使っていた食器のような印象があります。色や曲げ、ヘアライン加工のせいなのかな・・・。
キータッチは快適です。キートップのサイズは少し小さめで、押し込める範囲はMacBook Airよりも大きいのでバカスカと打つ感じです。
キーの配列は日本語配列ですが、Chromebook独自の「検索キー」が目立つな位置にあるので、キーバインドを変更しています。
【関連】Chromebookの検索キーをCTRLキーに変更する方法
Enterキーがちょっと小さいけど、まぁ許容範囲でした。暗闇でキーボードが光るようなギミックはありません。
搭載している「Google 日本語入力システム」もなかなか優秀。サジェスト機能や辞書登録ももちろん可能です。
トラックパッドは少し残念な感じです。慣れもあるのかもだけど、特に親指で操作したときの「すべり」がよくないため、ストレスがたまります。クリックも「カチンッ」という大きな音が出るので、クリックしまくるのはかなりうるさく、指が疲れます。
その代わり、スマホのように画面をタッチして操作できるから、私はなるべくトラックパッドを使わずに画面をタッチして操作するようになりました。
トラックパッドを2本指でスワイプするとウィンドウをスクロールできたり、ブラウザで「戻る」や「進む」が使えるのはMacと同じで便利です。3本指でスワイプするとブラウザで開いているタブをスムーズに切り替えられます。
開いているウィンドウを一覧表示させることも可能。
MicroSDカードスロットとUSB2.0(3.0ではなく2.0)もあるので、外部ストレージを増やすことも簡単そうです。
周辺機器についてはこちらのエントリから。
ディスプレイの品質に不満はありません。標準では1,280×800ピクセルですが、設定画面から1,440×900ピクセルへ拡張可能なので、私はその設定にしています。HDMIケーブルで外部ディスプレイへつなげることも簡単でした。
本体下部にステレオスピーカーを搭載し、音質はなかなかよいです。MacBook Airのスピーカーより高音質に感じました。ASUSのプロダクトはきちんと音質にこだわっているのが素晴らしいですね。
バッテリーは約9時間持つので、日常的な使用に不満はありません。充電器はケーブルを巻き取ることやプラグを折りたたむことができず、ちょっと残念な感じです。
充電のコネクタは上下どちら向きでも刺すことができます。ちょっと堅め。
CPUパワーとメモリが少ないためか、動作は決して速いとは言えません。特に顕著なのは動画再生時。YouTubeの視聴やTwitterの投稿動画など、かなり待たされます。Androidタブレットだとそんなことはないので、動画をよく見る人は要注意です。
なお、英語キーボードに抵抗がなければ海外モデルの方が安くてメモリ搭載量が多いです。
Chrome OSを含めたソフトウェア的な感想
私はこのC100PAが初のChromebookです。それまではChromebookって、「ブラウザとWEBアプリしか使えないPC」という認識だったのだけど(実際そうなのだけど)、かなりふつーに使えることにビックリしました。
Google play musicで音楽を聞きながら、ウィンドウを複数開いてブラウザとテキストエディタを使い、LINEで連絡してGoogleカレンダーに予定を入力。
フロントカメラがあるので、カメラアプリを使えば簡単な撮影も可能です。
よく使うアプリは「シェルフに固定」することで、アイコンがデスクトップの下部に並び、アクセスが簡単にできるようになります。
デフォルトで設定できる壁紙には、Googleの社長たちも大好きなアメリカのフェス「バーニングマン」の会場を空撮した画像も入っています。
かなり、ふつーです。無料でワードもエクセルも使えるし(非商用利用に限る)、個人的にはATOKとADOBEのソフトがあれば完璧ではないかと思います。
作成したファイルをZIP形式で圧縮してメールに添付して送る〜なんてこともアプリを使えば可能です。
個人環境はどのChromebookでも再現可能
すべてがクラウドに保存される前提のChromebookならではのスゴイ点として、個人環境はどのChromebookでも再現可能というのがあります。
たとえば、私が自宅のMacに入れているアプリはほかのMacでは使うことができません。旅先で「使い慣れたエディタがない・・・」という事態や、Macを買い換えるたびに設定を作り直す面倒臭さ(それでもかなり楽になりましたけど)。それが、Chromebookならアプリも含めてクラウドの個人アカウントに保存されるため、どんな(別の)Chromebookであっても、自分のGoogleアカウントでログインさえすれば、すべての環境が再現されてしまいます!!!!! ぶっちゃけこれスゴイ!!!!!!
いま私はASUSから「Flip C100PA」を借りて使っています。「これ、貸してるだけなんで、欲しいときは新品で買い直してね」と言われたとき、「えー、面倒くさいなー」と思いました。このままコレを買い取らせてくれたらいいじゃん、と思いました。
が!ASUSワルクナイ!!!!!! Chromebookなら、新品で買い直してもすぐに設定が再現可能!!!!!!
ほかにもたとえば自宅と職場にChromebookがあるなら、自宅でアプリを入れたり設定を変更したりしたものが、職場のChromebookにもそのまま反映したり、まーーー新時代の便利さです。
Chromebookの残念なところ
システムのフォントが絶妙にダサく感じてしまい、それが安っぽさを助長しているように思えます。設定画面からフォントを変更することも可能だけど、自由にフォントを追加することはできません。デザイン系のソフトを使いたい時にも、フォントが追加できないのはちと困りますね。
また、Chromeブラウザを使う前提なので、ごくたまにある「Chromeだと正常に動作しないサイト」で詰まってしまいます。個人的によくアクセスするのは東海汽船の予約サイト、台東区の施設予約サイトが動作しないのがツライところです。
ぶっちゃけ、欲しいか
ASUSから無料で借りておいてコレを書くのは気が引けますが・・・
いま持っているMacBook Airと交換して、仕事の効率が上がるか?と考えると、下がることはあっても上がることはありません。できることはMacBook Airの方がたくさんあります。カスタマイズ性もMacの方が高いです。
圧倒的に違うのはコスト。本体の価格も倍近く違うし、Chromebookは無料アプリでだいたいすべて完結させることができます。
そして、どのChromebookでもすぐに個人環境が再現できるすごさ・・・。
なんというか、「この流れに早く乗っておいた方がよい」という気がしています。
確かにまだまだ使いにくいです。でも、どんどん改善されていくと思います。アプリも増え続けるハズです。
それに比べるとMacやiPhoneは、どんどん微妙になっています。OSやiTunesがバージョンアップするたびに「前の方がよかったねぇ」という声が出て、Snow Leopardを懐かしく思う人もたくさんいます。「iOS9で新しくなったのはメモ帳!」なんていうズッコケもありました。
便利そうなものに早く乗っておけば、本当に便利になったときに快適になる。
不便そうなものを使い続けていれば、いつまでも快適になることはない。うーん、どうしよう・・・。