今年というか来年というか、正月は久しぶりに実家へ帰ろうと思います。
18歳でアナログシンセを抱えて上京してから、東京ではいろんなことがありました。田舎者すぎて東京の会話についていけず、ひきこもりのように本ばかり読んでいた時期もありました。
初めて「東京の女」を抱いたときのあの興奮(茨城出身の子でしたが)、女友達の家へ遊びに行ったら「私、友達とでもできるよ」と言われたときのあの興奮(そればっかりかい!)。
そして、思い返せばヘンテコな幼少期の記憶があります。
五右衛門風呂を沸かすときに「これが一番焚き付けには便利」と言って母親から渡されたのは麻の枝だった。
近所の馬小屋に忍び込んで、ワラまみれになって遊ぶのがおもしろかった。馬の糞からキノコが生えていた。
お盆になると団子を川へ放り込んだ。まっくらな道を上った先にあるお社で一晩中祭りが行われていた。河童の出る川もあった。俺が小学生になるまでは火葬ではなく土葬されていたらしく、一族みんな誰も「火葬場のマナー」を分かっていなかった。
修験道の山に登ると「地球安全祈願」というスケールの大きな石碑があり、書いたのは親戚のじいちゃんだった。ワケの分からないものを大量に集めた自称・博物館を開いている親戚もいた。
直系のじいちゃんは絵のうまい国語教師で、体が弱かったらしい。
一度、じいちゃんが書いた戦時中の絵日記を見つけたことがある。開戦を知らせる新聞の切り抜きコラージュとともに「悪夢の始まりだ!」と大きく書かれた文字は、上から黒色で塗りつぶされていた。
若かったため、学生のまま訓練だけ受けていたようだったが、「今日は水泳の訓練。しかし、小生は寝込んでいた」というような記述が多く、あんまり兵隊向きではなかったようだ。
そういえば「殿様が金を隠した」という山があった。「江戸時代の首切り場」っていう場所もあったけど。
そんな感じでいろんなルーツを確認すべく、ちょいと行ってきます。お年玉、欲しいな・・・。