21世紀のドラッグムーブメントは、マジックマッシュルームが自由に手に入る時代を過ぎ、言えば言っただけリタリンが処方される時代を過ぎ、中身は不明だけどとりあえずキマった合法ドラッグ(危険ドラッグ)時代を過ぎ・・・
海外では大麻の合法化が進んでいるのに、日本では風邪薬のトリップがリバイバルムーブメント中という、困った状態にたどり着きました。
【外部サイト】せき止め乱用、10代で急増 厚労省の薬物依存調査:日本経済新聞
ドラッグ体験へ希望を持つ人の気持ちを無視して、ひたすら禁止しまくった結果がコレですよ。どーですか!
で。
個人的には風邪薬トリップよりサウナトリップをオススメしますが・・・
先日、タイで買ったせき止めがやたらとクラックラするのでご紹介します。
虎星標 烏色止嗽水
はい。読み方は一切分かりません。緑色の箱に、赤い虎(ヒョウ?)のイラストが目印です。ものすごく一般的な商品なのか、薬局でもセブンイレブンでも帰りの空港でも売っていました。ひとつ約20バーツ(70円くらい)。
裏面にはタイ語の表記も。こちらも一切分かりません。
箱の中にはプラスチックボトルに入ったヘドロ色の液体が。下の画像、かなり飲んだ後なので内容量は少ないです。
側面には英語で成分表示が書かれていました。たぶん5ml(一回分量)あたりのものです。
えーと、なになに・・・
- Glycyrrhiza Fluidextract 0.6ml
- Antimony Potassium Tartrate 1.2mg
- Camphorated Opium Tincture 0.6ml
これら3つが有効成分のようです。ひとつずつ調べてみました。
Glycyrrhiza Fluidextract
Glycyrrhiza Fluidextractは「カンゾウエキス」の模様。せき止めによくある成分のようです。「甘草」で調べると、サプリがたくさん見つかりました。
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Antimony Potassium Tartrate
Antimony Potassium Tartrateは「酒石酸アンチモンカリウム」。吐酒石(としゅせき)とも呼ばれ、かつては去痰(きょたん)剤として使われていたけれど、下痢や虚脱などの副作用を起こしやすいため、現在では使用されていないとのこと。
あれ? 現在では使用されていない??
吐酒石で検索すれば検索するほど、劇薬・毒薬であることが分かってしまい、0.2g(200mg)の摂取で死亡した例まで・・・。えーとちょっとこれは・・・。
※本商品は一本が60ml入りなので、一気飲みしてもAntimony Potassium Tartrateは14.4mgしか摂取できません。しかし、劇薬・毒薬であることは確実なようですので、用法・用量は絶対に守りましょう
Camphorated Opium Tincture
Camphorated Opium Tinctureは「カンファー(樟脳)・あへんチンキ」。その製剤は「Paregoric(パレゴリック)」とも呼ばれ、ビートニク文学のウィリアム・バロウズとアレン・ギンズバーグの「麻薬書簡」でも、たびたび登場するドラッグです。
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「麻薬書簡」は読んどいた方がいいよ。
下痢止めや痛みの緩和に使われるとのこと。Antimony Potassium Tartrateに下痢の副作用があるから、それを相殺するために入っているのでしょうか。
ちなみに、パレゴリックはアメリカの法律ではケタミン等と同じくスケジュールIII薬物。
虎星標 烏色止嗽水を飲んでみた
というわけで・・・
虎星標 烏色止嗽水は、現代の日本の感覚からすると、とっくに使われなくなった劇薬入りのキッツイ薬です。
たしかに、飲めばピターっと咳が止まります。不思議なくらいに止まります。
そして、クラクラするのです。アタマの中心が定まらないというか、日本のせき止めなんて比べものにならないくらい、ヨレってしまいそうになります。
ネタではなく、マジで用法・用量を守って飲まないと危険な気がします。せっかくタイに来ているのに、ブっ倒れたまま旅が終わる恐れもあります。成分を見ていても、ドラッグではなく毒に近い気がします。多幸感や幻覚は得られませんでした。
そんなものが100円以下で売られているとは、恐るべしタイ・・・。
というわけで! タイでせきが止まらないときは気をつけましょう! 青色パッケージのノド飴もそーとー強かったよ!
※私は医薬の専門家ではありません。上記の情報は私が無責任に調べた内容のため、間違っている可能性があります
※乱用を勧めるものでは決してありません。ドラッグではなく毒に近いものですので、マジで絶対に乱用しないでください。これはネタではありません
※私が所有していた虎星標 烏色止嗽水はすべて飲み終わってしまったため、現在は手元にひとつもありません