東京の離島・青ヶ島に行ってきた【サバイバルキャンプ】

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2015年9月、東京の離島・青ヶ島へ船を乗り継いで行ってきました。素晴らしいキャンプ体験をご紹介します。

青ヶ島村

http://www.vill.aogashima.tokyo.jp/

※青ヶ島村は東京都に属しますが、表現をシンプルにするため、本ブログ内での「東京」はいわゆる本土の東京として表記しています

青ヶ島 アクセス

青ヶ島は東京のはるか南にあります。本土からの直行便がないため、伊豆諸島の八丈島を経由し、ヘリコプターか連絡船でアクセスします。というわけで、まず最初に目指すのは八丈島です。

八丈島にはANAの飛行機か、東海汽船の大型客船で行くことができます。飛行機だと約50分、1万円ちょっとから、船だと一晩(約11時間)、いろいろな割引きを使って6,000円くらいです。私は船で行きました。

【外部サイト】アクセス | 青ヶ島村ホームページ

東京からの船は「竹芝桟橋」発となります。JRの浜松町駅からてくてく行くと・・・黄色い大型客船・橘丸が登場しました。

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2014年に就航したばかりの橘丸は恥ずかしいくらいにキレイ!乗船したのが平日だったためか、とにかくガラガラです。最大8人が入れる2等船室をひとりで占有していました。これは快適。

橘丸は最近の世相を反映してか、かつてのような「自由に場所取りOK」なフロア構成ではなく、もっとも安い二等船室であってもすべて指定席となっています。それぞれの場所は、このように仕切られています。

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ひとりずつの幅(茶色い部分)はかなり狭く、シングルベッドの半分くらい。女性がひとりで乗るのは緊張しそうです。カギのかかる荷物入れやコンセントがありました。二等船室は船の最下部(水の中)のため、携帯の電波は入りづらいです。

2等船室には寝具が備え付けられていないため、貸し毛布を100円で利用できます。2枚借りてサンドイッチにして使うと快適。

船内には軽食スペースのほか、コインシャワーとドライヤーもあるので、汗を流すこともできます。

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夜の22時30分に出発し、朝の9時ごろ到着です。仕事帰りにも乗りやすい時間ですね。いきなり消灯・点灯されるのでアイマスクがあると快適です。二等船室はエアコンが強く、調整できないから羽織るものも忘れずに。

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船酔いが心配な方は「アネロンニスキャップ」という酔い止めが強烈に効きます。私はこれと出会ったおかげで船旅の楽しさに目覚めました。

船は上の方が揺れます。船酔いが心配なら、デッキに出て遊ばずに早いところ寝てしまいましょう。

約11時間の航海の後、八丈島に到着しました。同じ港から、八丈島と青ヶ島を結ぶ連絡船「あおがしま丸」へ乗り換えです。あおがしま丸の出航時間は厳密に定められておらず、「荷物を積み終わったら出航」という緩やかなもの。遠出をせずに待合室でボケーっとして過ごしました。

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あおがしま丸もキレイな船。そしてガラガラです。私以外の観光客はふたり(カップル一組)しかいませんでした。

デッキに出たりすることはできず、カーペット敷きのフロアでゴロゴロ過ごすことになります。みんなひたすら寝ていました。マクラ、毛布は無料。こちらもコンセントあり。下の写真、真ん中にあるのは冷蔵庫です。釣り人用かな?

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乗船時間は3時間程度、片道約2,600円でした。中には冷水機以外、自販機や食料品を買う場所はありません。乗船している時間は天候によって大きく変わるため、なにか食べるものを用意しておくことをオススメします。

青ヶ島でキャンプをするときには、冷水機から水をいただいておきましょう。

青ヶ島は船の就航率が悪いとイメージ付けられていますが、現在の「あおがしま丸」ではずいぶんと改善されているようです。

ついに青ヶ島へ到着です!

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絶海の孤島という表現にふさわしく、見事に切り立っています。昔は流刑の地だったというのも納得の、逃げられない感じ満点ですね・・・。

青ヶ島の宿泊

青ヶ島の宿泊は、民宿かキャンプの二択となります。ホテルや旅館はありません。私はキャンプにしました。

飲食店がほとんどないので、民宿は3食付きが基本となります。民宿を素泊まりにしたときは、商店でパンを買ったり、夜は島内唯一の居酒屋「もんじ」で食べるという方法もあります。自炊メインのキャンパーの間では「いつかもんじで食べたい」と語り合われていました。

集落や民宿、商店や役所といった主要なスポットは島の北側に位置していますが、キャンプ場ははるか遠く、「丸山」という山の麓にぽつりとあります。近くにあるのは「ふれあいサウナ」のみ。つまり、かなり人里離れた場所がキャンプ場です。

青ヶ島の携帯電話事情

私はドコモの電波を理想するスマホを持参しました。電波はどこでもバッチリ入り、Google play musicで音楽をストリーミング再生しても快適でした。以前は「東京で携帯を買ったのに、島に帰ったらつながらない」とか「落雷でしょっちゅう電波塔が破壊された」ということもあったそうです。

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太陽が強いのでソーラーチャージャーからの充電も捗りました。ANKERのソーラーチャージャーに、モバイルバッテリーをつなげています。

※スマホやタブレットを太陽の下へ置きっぱなしにして出かけるのは不安なので、モバイルバッテリーへ一度充電するようにしていました

・・・まぁ、キャンプ場にもコンセントが1箇所だけあるので、ソーラーチャージャーとか使わなくてもコンセントから ry)

青ヶ島のレンタカー

青ヶ島は急な坂道が多いので(平坦な道がほとんどないので)、快適に移動するにはレンタカーが必要です。しかし、困ったことにキャンパーには(原則的に)レンタカーを貸し出ししてくれません。

これは私の推測ですが、レンタカーを借りられるようになると、テントじゃなくてレンタカー内に寝泊まりすることが可能になります。水くみも買い出しもすぐにできるようになるので、民宿に泊まらなくても快適な生活ができます。そうなると民宿は商売アガッタリです。そんな理由もあるのかなーと思います。

レンタカーは台数が少なく、AT車はさらに少ないので、利用したい方は早めに予約しておきましょう。キャンパーはがんばって歩きましょう。

夜は信じられないほど真っ暗になるし、ものすごく細い坂道もたくさんあります。運転はしっかり気をつけてください。

キャンプ場の設備

青ヶ島のキャンプは、出発前にメールで青ヶ島役場へ事前申請を行い、青ヶ島に到着したら役場を訪問して正式な申し込みを行います。キャンプ場の利用料は無料。絶対に飲用できない怖い水が出る水道と、かまどや石のイス・テーブル、水洗トイレ(和式)がありました。

トイレの紙は役場の人が補充してくれるそうですが、女性やうんこがよく出る人は念のためにトイレットペーパーを持参した方がよいと思います。私が行ったときには紙はありませんでした。

キャンプサイトは段々畑みたいなレイアウトなので、広いけど狭いというか、こっちにテント張ってー、こっちにタープでー、こっちがキッチンーみたいな「広大なワンフロア」は難しそうです。今回はシンプルにテントだけ張りました。

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地面は水はけのよい土。ペグが打ちやすく、ものすごい土砂降りでも水たまりができないのには感心しました。キャンプ場はトルネードが発生することもあるので、台風のときにはムリせず民宿へ避難するのがよいようです。

かまどで使える薪や炭は商店では売っていません。落ちている木を拾い集めましょう。炭火でBBQしたいときなどは、すべて持参する必要があります(消し炭は持ち帰りです)。

キャンプの注意点

船が到着する青ヶ島港からキャンプ場まで、坂道を登って徒歩で45分くらいかかります。道中には自販機やお店は一切ナシ!!!!! 地図や道案内の看板もナシ!!!!! 到着前に地図を用意しておかないと、キャンプ場へたどり着くのはリアルに困難です。そして、必ず飲料水を準備し、常に「携帯している水の残量」を意識しておきましょう。

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私は港からひとりでノシノシ歩いていたら、

「キャンプ? この先は長いけど乗ってく?」

と、車に拾っていただきました。ひとりだとこういうことも多いようですが、大人数のときは「乗せてあげたくても乗せられない」という感じになると思います。

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キャンプ場には洗い場があり、水道の蛇口も付いていますが・・・出てくるのは飲用できない恐怖の水です。地元の方からは沸騰させても飲めないと強く言われました。古い雨水を利用しているようです。お皿を洗うくらいに留めて、不安な人は最後にアルコール消毒などをしておきましょう。

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飲み水は役場の水道から持ち帰らせてもらえます。キャンプ利用の手続きもあるから、一度は必ず役場まで歩いて行くことになるのですが・・・キャンプ場から役場までは徒歩1時間以上かかり、道中には道中には自販機やお店は一切ありません。

役場へ向かう途中で振り返ると、キャンプ場のある「丸山」が遠くに見えます。よく歩いたもんだ・・・。

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強烈な坂道を登り、ダンジョンみたいなトンネルを歩き・・・

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霧が出たりして、いろいろ大変。雨が降っても逃げ場ナシ。誰も歩いている人なんていません。なかなかの苦行・・・。

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汗にまみれ、体から獣のような臭いが漂ってきたころに・・・ようやく役場へ到着します。体力に自信がなければ、通りかかった車を積極的にヒッチハイクした方がよいと思います(滅多に通りかかりませんが)。

役場では事務的な説明を受け、ここでようやく地図を受け取ります(遅いよ!)。

そう。そもそも論として、キャンプ生活を始めるために必要な「役場の手続き」と「水くみ」が遠すぎるのです。

役場のほか、島唯一の商店、居酒屋、民宿、ヘリポートはすべて「岡部地区」という北側のエリアに密集しています。観光スポットもそのあたりに多いです。キャンプ場とは真反対のエリアです。青ヶ島へ上陸する前に、必ず地図と飲み水を用意しましょう。そうでないとリアルに危険です。

【外部サイト】青ヶ島MAP PDF

また、出歩いている最中に日没になりそうなときは必ずライトを準備しておきましょう。一寸先も見えないほど真っ暗になります。

Aerial View of Aogashima Volcano, Japan [1536×1152] (i.imgur.com)

青ヶ島は二重丸(◎)みたいな形をしていて、二重丸の外側の円の下に港があり、内側の円の下にキャンプ場があり、外側の円の上側に役場や商店があります。上の空撮画像だと、真ん中にあるプリンみたいなところがキャンプ場がある丸山で、右上のなだらかな面のところが集落です。どれだけ歩くか、どれだけ山越えするか分かりますでしょうか・・・。

ふれあいサウナ

そんな厳しい環境のキャンプ場ですが、近くには地熱を利用した「ふれあいサウナ」があります。ここは本当によかったです!

ふれあいサウナのまわりには「ひんぎゃ」と呼ばれる、蒸気の噴気孔があります。地面が熱く、いたるところから蒸気がもうもうと出続けているのです。ふれあいサウナは「ひんぎゃ」を利用した天然サウナです。サウナーなら一度は天然のサウナへ入ってみましょう!

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ふれあいサウナの入浴料は1回300円。水曜日がお休みで、営業時間は夕方4時から夜8時まで。シャンプー、ボディソープあり。タオルはありません。サウナはかなりの高温で、さらに浴槽も熱湯風呂状態になっていることがあります。すべてが地熱で加熱され続けているため、「今日はシャワーで水が出たね!昨日が雨だったからかね!」みたいな会話が繰り広げられます(ふれあいサウナの水道水も飲用はできません)。

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ふれあいサウナにはエアコンの効いた休憩室もあり、ペットボトルに入った冷たい水を自由に飲むことができます。飲み水が貴重なキャンパーには本当にありがたいことでした。

さらに、入口にはジュースやビールの自販機もあります。500mlのペットボトル水も売っているから、役場まで1時間かけて水をくみに行くのが面倒なときは、自販機でペットボトル水を買うのもアリだと思います。

※頻繁に補給されるワケではないので、大人数で参加したときやオンシーズンのときには売り切れるかもしれません

地熱釜

ふれあいサウナのまわりには、ひんぎゃを利用した「地熱釜」という調理装置があります。釜のフタを開けると、取っ手の付いたザルが入っているので、そのザルへ食材を乗せて戻します。足元にある赤いレバーを動かすと・・・ものすごく熱い蒸気が吹き出てきて、どんなものでも蒸してくれます。

地熱釜は本当に優秀で、玉子なら10分くらい、サツマイモやトウモロコシなら40分くらいでとてもおいしく完成します。本当に不思議なくらいおいしくなります。

玉子は地元の商店で1個単位で購入可能です。あとは東京から持参した肉まん・あんまんを投入。

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約10分でゆで卵(蒸し卵)完成です。この美しさ!

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青ヶ島の海水をひんぎゃの地熱で加熱して作られた「ひんぎゃの塩」をかけて食べると絶品です!!!!!! また食べたい・・・。肉やソーセージも絶品ということですが、今回は食べる機会を逃しました。

地熱釜でお米を炊いてみた

地元の方から教わった、上級者向けの使い方です。本来なら鍋で密閉して炊くお米(赤子泣いても蓋取るな)を、ジップロックの袋で炊く方法をご紹介します。

  1. お米をジップロックの袋に入れます
  2. だいたい1.2倍程度の水で数時間給水させます
  3. ジップロックの口を少し開けた状態で地熱釜へ入れます
  4. 1時間くらい加熱して完成!

これが・・・びっくりするくらいおいしく炊けました。それまでずっとイモばかり食べていたので、味覚がヘンになっていたことを考慮してもおいしかったです。このときの名言、

「イモはコメにあらず、コメはイモにあらず」

キャンプ生活が長くなってくると、地熱釜をいかに利用するかという、アイデアの大喜利状態になってきます。不便を楽しむ感覚は大切にしていきたいですね。

噴気孔で天然岩盤浴

ふれあいサウナのまわりはいたるところから蒸気が登っていて、道路も地熱で温かいです。私は岩の上に座ったり、道路に寝転がったりして(車はほとんど来ません)、天然の岩盤浴を毎日楽しんでいました。夜になると頭上には満天の星空。とても幸せな時間でした。

道路にTシャツやパンツを並べておくと地熱ですぐに乾きます。キャンプ生活において、「濡れていない服がある」のはとても重要なので、この乾燥ぶりには助かりました。

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最低限のマナーは守りつつ、夜になると誰もいないので半裸でブラブラできるのは本当に快適。わざわざ服を着るの面倒くさい・・・。

青ヶ島のベストシーズン

気温は一年を通じて温暖のため、極端な防寒装備は必要ないようです。9月に行ったときは一日中タンクトップ+短パンで暑いくらいでした。地元の方によると、台風が少なくなる10月、11月がベストシーズンとのこと。春は嵐、夏は台風、冬は偏西風が強いので、狙い目はやはり秋ですね。

青ヶ島は土日+2日休めればしっかり満喫できると思います。

  • 金曜の夜に東京から出発して
  • 土曜の朝に八丈島へ到着。そのまま青ヶ島へ
  • 土曜の午後、青ヶ島へ到着。そのまま一泊
  • 日曜も青ヶ島宿泊
  • 月曜の午後、青ヶ島を出発して八丈島へ到着。八丈島で一泊
  • 火曜の朝、八丈島を出発。夜には東京へ帰着

八丈島と青ヶ島を結ぶ連絡船は木曜と日曜が基本的にお休みなので、スケジュールを組むときには最新のリストを参照してくだい。

【外部サイト】あおがしま丸 就航予定 PDF

また、就航率が改善したとはいえ、台風が接近したときなどは連絡船は欠航してしまいます。私が行ったときには「台風接近+チリの大地震による津波」というWパンチで、「今日を逃したら数日は出航できなくなる」と言われたため、安全策を取って帰ることにしました。

※船の欠航は「いきなりなくなる」という感じではなくて、「明後日は来ないだろうね」とか、島の人はある程度の予測をしています。その言葉に従って行動するのがよいと思います

青ヶ島への予算

今回の旅は、東京から八丈島への船賃が往復で14,000円程度、八丈島から青ヶ島への船賃が往復で5,000円程度、青ヶ島での飲食費が1,000円程度(ジュース代、玉子代など)、帰りに泊まった八丈島の宿が2,500円、奮発して食べた八丈島のうまいメシが2,000円だったので・・・総額で25,000円くらいの旅でした。主な出費は八丈島ですね。八丈島もキャンプ泊にして贅沢な食事にしなければもっと安くできました。

青ヶ島にお金をぜんぜん落としてないなと思いつつ、キャンプだと落とす場所もないという事情もあったりします。せめてものお礼ということで、キャンプ場のトイレを掃除して帰りました。

青ヶ島へおトクに行く方法

東京から八丈島への船賃はインターネットで予約すれば割引とか、団体なら割引とか東海汽船の株主優待券で割引とか、いろいろお得な方法があります。

青ヶ島のベストシーズンとされる10月・11月は他の島は閑散期のため、ヤフオクや金券ショップで東海汽船の株主優待券がたたき売りされています。株主優待券を使えば八丈島までの船賃が35%割引されます(八丈島から青ヶ島への船は東海汽船の運行ではないため、株主優待券は使えません)。

1回の乗船(片道)につき1枚必要なので、往復だとひとり2枚必要となります。また、東海汽船は古くからの企業で株価もすごく安定しているので、思い切って株主になるのもオススメです(私も持っています)。1,000株持っていれば半期ごとに10枚の株主優待券がもらえます。だいたい20万円あれば1,000株購入することができます。

青ヶ島の観光スポット

観光スポットは少ないです。車があれば1日ですべて回れると思います。ビーチで海水浴ができるわけでもないし、サウナはあるけど温泉はないので、八丈島や新島、大島といったほかの伊豆の島に比べると見所は少ないです。

また、スキューバダイビングやサーフィン、ホエールウォッチングやドルフィンスイムといった、いわゆる「アクティビティ」は皆無です。お散歩して、海を眺めて、サウナに入って、星を眺めるという過ごし方になります。釣り竿を持参できれば、港から釣りを楽しめます。

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の雰囲気も「観光に力を入れています!」という感じではありません。商店はひとつしかないし、お土産も「ひんぎゃの塩」以外は特別ありません。「アイラブ青ヶ島」みたいなTシャツもないです。

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誤解を恐れずに言うと、かなり退屈な島だと思います。特に天気が悪いと、星も見えないし、何もすることがない状態になりがちです。

しかし、そうであるからこそ「気づく」ものがたくさんありました。相手から提供されて「気づかされる」ではなく、何もない中から自分で「気づく」です。観光地化されすぎていないからこその、貴重な体験でした(悪い例:観光客に慣れすぎている首長族)。

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今日はなにをしようかなと考えながら、地熱釜でイモを蒸かして、裸のまま道路に寝転ぶ。ほんの少しの虫の響。夜になれば頭の上には満天の星空と増水気味の天の川。私にとってはとても素晴らしい時間でした。

青ヶ島の星空

周囲に人工の明かりが少ないため、青ヶ島は星空がキレイなことでも有名です。確かに、簡単に増水気味の天の川を見ることができました。流れ星もひゅんひゅん飛んでいます。

私が行ったときは、夜の早い時間より、深夜3時ごろの方がキレイに見えていました。夜になっても見えないときは時間をズラすのもよいと思います。夜中でもそれほど寒くないので快適です。

真っ暗な中で星空だけを眺めていると、宇宙の中に浮かんでいるような気持ちになってきます。

青ヶ島の自然

観光パンフレットなどには「手つかずの自然が残る」というようなことも書いてありますが、主要な道路はすべてアスファルトで舗装されているし、あちらこちらで工事が行われています。夢のような「癒やしの自然」ではなく、現実の世界にある「厳しい島の自然」という感じでした。

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場所によっては地滑りや落石が多いので気をつけましょう。私も「落石注意」のところでキッチリと落石に遭いました。雨はスコールのような土砂降りになることもあります。私がキャンプをしているとき、夜中に数時間に渡ってものすごい土砂降りが続き、思わず「テントの防水性テストやってんじゃねーぞ!」と叫んでしまいました。やっすいテントだったら、確実に浸水してたと思います。

伊豆七島の名産・アシタバは丸山の遊歩道付近で見かけました。若葉を摘んで、キャンプの食事のおかずにしましょう。おいしいです。

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おまけの感想

青ヶ島でキャンプをしていると、生活がすごくシンプルになります。

「食料を買いに行こうかな。でも1時間歩くのイヤだな。今日はイモ食ってサウナで過ごすか」という感じです。

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飛行機で八丈島へ行ってヘリコプターで青ヶ島へ上陸して民宿に泊まってレンタカーを借りる過ごし方と、船を乗り継いでキャンプして徒歩で移動するという過ごし方だと、青ヶ島体験はまったく異なると思います。

民宿に泊まっていれば、水道水だって飲めるし、商店も近いし、雨も風も平気だし、島の魚を食って温かい布団で寝てられます。

キャンプだと、水の問題はあるし、トルネードの発生地だし、地熱釜でイモを蒸かして食べる毎日です(魚は一度も食べませんでした)。

不便な分、キャンプは青ヶ島のダイナミックさを感じることができます。

誰にも気を遣わずに過ごせるから、深夜の星空散歩も、日の出を見るのも、地熱で暖められた道路に裸で寝転がるのも自由です。

さらに、不便だからだんだんヘンなテンションになってきます。肉が食べたい!とか、コメが食べたい!とか、水道水を飲みたい!とか、妙な欲求が出てきます。アメリカの砂漠で行われているアートと音楽のフェス「バーニングマン」に参加したときと似た感覚でした。

しかし、キャンプは入念な下調べと準備、スキルがないと本当に危険です。

やっすいテントと金さえあればなんとかなるというマインドだと、確実に死にます。女の子とキャッキャしてBBQしてゴミを大量に残して帰るようなキャンプじゃなく、サバイバルキャンプです。

それでも、キャンプで行くことをオススメしたいです。毎日ものすごい距離を歩き、夜は裸で寝転がり、地熱釜での蒸気料理にアイデアを凝らす。誰もいない中、ひとりだけで過ごす。

不便だからこそ楽しいものや、不便だからこその妙なテンションを味わいましょう。

また行きます!