タイ・バンコクには「ゴーゴーバー」と呼ばれるナイトスポットがあります。私はお酒を飲まないため、バー的なカルチャーにはずいぶん縁遠いのですが、ある日偶然にイってしまったときの思い出話です。
そう、あれは2012年のソンクランのとき。さらなる大騒ぎ・さらなる水かけを求めて、深夜にトゥクトゥク(三輪タクシー)を友人とふたりで乗り回していました。
「おいジャパニーズ、オマエらは水かけだけのために来たのか?ココはジャパニーズに大人気のスポットだぞ」
トゥクトゥクの運ちゃんが指さす先にはギラギラのネオン。分かりやすい歓楽街がありました。
「いやいや、俺らそういうの間に合ってるんで!水かけまくる場所まで頼むよ!」
「そうか、分かった!」
歓楽街を通り過ぎて我々は大騒ぎスポットへ。水をかけくり、エンドレスな祭りを楽しんでいると・・・あれ?こんなところに何か落ちてるぞ?
「げ、現金じゃーん!」
そうなのです。ジップロックの袋に入った現金を拾ってしまいました。これがまた、タイの物価からすると結構な金額です。うーん、日本だったら警察に届けるんだろうけど、ここタイだしなー。そういうときどうしていいのか、よく分からんなー。
悩むことしばし。ピコーン!そうだ!ゴーゴーバーで使おう!
この、見事すぎるマネーロンダリングを思いつき、再びトゥクトゥクを拾います。
「バンコクで一番の歓楽街へ頼むぜ!」
「なんだジャパニーズ、やっぱり行くんじゃないかよ!任せとけよ!」
なんと、偶然にもトゥクトゥクの運転手はさっきと同じ人。これはちょっと恥ずかしい・・・。
で、だ。
人生初のゴーゴーバーは、なんとも不思議な空間でした。
入口の扉を開けると、いきなり女性器が目に飛び込んでくるお店もあれば、音楽に合わせてダンスをしながら脱衣をしていくお店もあります。基本的に見学だけは無料で、ビールをオーダーしたり女の子を指名して連れ出してホテルへ行ったりするとお金が発生します。
が、しかし!
そもそもゴーゴーバーに到着したのが深夜2時手前。そろそろどこも閉店というか、女の子たちもそんな時間から連れ出されたくないのか、いい子はみんなすでに連れ出されてしまったということなのか、完全にやる気ナシ!!!!!!!!!
ステージでダンスを踊っている顔も「頼むから指名しないで・・・」というもの。
音楽に合わせて着衣になったり脱衣になったりするのも、最高にヤル気なし。そして、失礼ながら閉店間際まで残っている女の子というのは「売れ残り」状態なのでいろいろと微妙・・・。
うーん、これはどうしたものか・・・。
結局「疲れたし寝ましょう」ということで決着し、再び男ふたりでトゥクトゥクを走らせてホテルへと帰りました。拾ったお金はゴーゴーバーの近くにいたホームレスの人へあげました。
しかし・・・もしあのとき・・・もっと時間が早ければ・・・もっと元気が残っていれば・・・と、後悔することもなくはない。
いつか豪遊できることを夢見て、今日もまた労働に勤しむのであった。