覚せい剤取締法違反などで2014年9月に懲役3年・執行猶予4年の判決を受けた歌手のASKAさんが、事件に至った経緯を自身のブログを公開しました。
ブログはひじょーーーーーーーに長く、次のような章立てになっています。
- 序章
- ロンドン
- kicks
- ピンチとチャンス
- 韓国ライブ
- リアルキャスト解散
- GHB
- 勘違い
- 飯島愛
- 盗聴盗撮
- 覚せい剤
- 音楽関係者
- 恐喝
- 週刊文春
- エクスタシー
- 逮捕
- 裁判
- メール
- 後記
- 追記
で、理由は分かりませんがすでにこのブログは削除されています。代わりに以下のキャッシュ保存から読むことが可能です。
【外部サイト】ASKAのブログ(2016.01.09公開分/キャッシュ) – Togetterまとめ
私もさっそく読んでみました。最初に目次だけ見たときは、「GHBでセクシー女優の飯島愛とキメセクしてたら盗聴や盗撮に遭ってシャブとエクスタシーに・・・・」のような、春の歩み的なものだと期待していたのに、うーん・・・。
ブログで主張されているのは、ASKA自身の薬物に対する知識のなさっぷりと、盗聴に苛立たされていたという日々。では、ちょっと読み解いていきましょう。
ASKAは1996年・ロンドンのクラブでエクスタシー(MDMA)を初体験します。この当時は日本でも「テクノ」が盛り上がり、レインボー2000などの大規模レイヴが始まりました。
お酒がダメだったASKAは、エクスタシーによる意識の開放感に衝撃を受けます。日本に帰ってからもエクスタシーへ心惹かれる日々だけど、すでに規制薬物だったために代替品を探してネットをさまようASKA。
歌手としても順風満帆とは言えず、たくさんの努力をしながら活動を続けていたそうです。
同時期、寝付きが悪かったので「エリミン」を処方してもらっていたとのこと。乱用(応用)の恐れがあるとして規制された通称「赤玉」ですね。
その後、知り合いから「GHBという薬がいい」と紹介されて、GHBを使ってみたそうです。エクスタシーにも似た快感とともに爆睡できて、再び感動するASKA。
・・・私はまず、ここまで読んだときに「ASKA、いろいろ詳しいなー」と感じました。薬物に興味・知識がない人であれば、「エリミン」や「GHB」という名前を記憶していないと思います。「医者から睡眠薬を処方された」という書き方になるハズ。
「GHB」は多幸感(幸せな気持ち)とダウナー感(カラダが動かなくなる)とセックスの感度(エクスタシ〜)が高まるということで人気がありました。現在は規制されているから輸入したらダメよ。
ただ、期待していたような「GHBでキメセク三昧!」という記述はなく、ただの睡眠剤として使っていたとのこと。これは肩すかしをくらいました。
そして、セクシー女優の飯島愛との話へ。
以前より仲良しだった飯島愛から「自宅が盗聴されている」という相談を受けて自宅へ急行する刑事&ASKA。当時、渋谷インフォスタワーという超高級マンションの最上階に住んでいたにも関わらず「天井裏に人が潜んでいたぽい」というのは・・・マンションの天井裏って・・・インフォスタワーなら入口からセキュリティ万全だと思うのだけど・・・。
そして、ASKAの身にも盗聴犯の手が伸びてきたとしています。
すべての会話が筒抜けで、筒抜けた内容はTwitterに書かれているとのこと。ASKAはこのTwitterページ(?)をどうやって見つけたのだろう・・・。
そして、だんだんとヤバイ感じになってきます。
私は一度だけ部屋で大声を出したことがある。自分でも驚くほどの声だった。これに反応すれば証拠となる。思った通り、その叫び声はサンプリングされて、今、大手ゲーム会社のゲームで使われている。あの時の自分の声だ。間違いはない。ゲーム会社はその事実を知らないだろう。盗聴はひとりふたりの個人的なレベルではない。ある動画サイトのプログラマが中心となってやっているのだ。
この盗聴集団がかなりのヤリ手なようで、
ケーブルを繋いだ瞬間にパソコンが飛んだのだ。一瞬の出来事だった。画面は真っ黒になり、もうスイッチも入らない。やはり大会とはこのことだった。挑発したことが原因だ。
なんと、LANケーブルをつなげた瞬間にPCをブっ壊すことができると!!!!! 怖いなー。
その後も、ネット上にいる見えない敵からの執拗な嫌がらせが続いていきます。でも、なんでASKAがターゲットなんだろう? ぶっちゃけるとこの時期、すでに超トップアーティストではなかったと思うのだけど・・・。
そして、ついに覚醒剤。
ロンドンでのエクスタシー体験が忘れられないASKAは「3CPP」が手に入らないかと友人に持ちかけます。
柳田に3CPPを頼んだ時には、それが規制対象になっていることは知っていた。しかし、ネットなどではまだ多くのサイトが普通に販売していたので、特別罪悪感はなかった。
えーと、これ2008年という記述だけど、2006年に規制されているから、さすがに存在しなかったんじゃないですかね・・・。脱法ドラッグには詳しくないので自信ないけれど・・・
そして、ここで「3CPPはないけど冷たいのならある」と言われ、「冷たいの」が覚醒剤と知らないままに使うASKA。うーん、3CPPの知識があるのに「冷たいの」というのが覚醒剤の隠語であることを知らない・・・?
そして、覚醒剤を求めてヤクザな人と出会ってしまい、吸引シーンを撮影されて脅されるASKA。使っているところは人に見せないようにしろとロンドンのクラブで学ばなかったのかASKA・・・。
で、盗聴集団からのストレスやヤクザからの脅しもあって、つい開放的な気分になりたくてエクスタシーを再び購入するASKA・・・。エクスタシーも完全に足元を見られているのか100錠じゃないと売らないとか言われ・・・(通常は一回につき1錠、10時間くらいメリットが持続します)。
で、逮捕されました。
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感想
まぁ、なんともかんともですね。盗聴集団からのストレスがそーとーなものだったようだけど、本当なのでしょうか。ブログの最後の方に「証拠は掴んでいるけど慈悲の心でそれは書かないよ」というのも、うーーーんこ れ、書けばいいじゃんと思いました。書かないとASKAの妄想話で終わるじゃん。
ドラッグ関連はわざとワキを甘く見せているのでしょうか。てへペロみたいに。
勝手な憶測ですが、半分は真実、半分は妄想、妄想のまた半分は保身のための虚偽のように感じました。
ロンドンでエクスタシーを初体験したり、飯島愛が盗聴に怯えていたあたりまでは真実。飯島愛なら盗聴してみようという気持ちも分かります。GHBのくだりは完全に肩すかし。
自分も盗聴被害にずっとあっていたというあたりが妄想。なにひとつ証拠を示していないし、ASKAをターゲットにする理由が分かりません。遠隔で室内盗撮するならAKBの子とかを狙った方が楽しいと思います。
エクスタシーを探していたら知らないうちに覚醒剤に手を出していたとか、ポケットの中に偶然残っていたとかというあたりが保身のための虚偽。
ある部分では文章のディテールがものすごく細かく書かれるのに、ある部分ではとたんに薄くなるのも特徴的です。
そして、覚醒剤の怖いところは「キメているときはマトモなのに、覚醒剤が切れるとマトモではなくなる」というところです。そう、キメているときはアタマも明晰だし、行動力もあるし、気持ちも前向きで、とても「いい人」になれます。だけど、切れた瞬間にすべてのやる気がなくなり、カラダは重たくなり、そして「またやっちまった・・・」という罪悪感に襲われます。
マーシーは「マトモでいたくて覚醒剤に何度も手を出してしまった」と書いていましたが、すごく正直な声だと思いました。
ここからは想像です
1996年のロンドンでエクスタシーを初体験したASKAは、日本でも再度体験したかったけど見つからなかった。その代わりに覚醒剤と出会ってしまった。キメるとすごく調子がいい。だけど、切れた後の状態と、「チャゲアスがシャブをやっている」という罪悪感から、たくさんのものを「勘ぐり」出すようになり、挙げ句の果てには妄想にとりつかれるようになった。覚醒剤をキメているときだけは妄想から逃げられるのに、切れるとまた妄想が始まる。マトモでいたかったので常用する期間が長くなり・・・パクられてしまった。
こんなことじゃないかなーと想像します。
マーシーは自分のシャブ事件を「笑い」にまで昇華できていたけど(復帰のサイン会をやったら密売人から握手のついでに握らされた等)、ASKAに漂う陰湿な空気は何なのでしょう。
「シャブ中から復活したASKAさんです!」みたいにベストテンでスポットライトを浴びながら登場できるようになれば・・・同じように薬物で悩んでいる人たちの救いになると思うのですが、ねぇ。